対話がひらく未来…「第六回 稲葉 俊郎・饗場 晴雄・中軽井沢区民のみなさん」
更新日:2022年09月30日
2022.8.19 軽井沢病院 会議室にて対談
参加者:軽井沢町区長会長/中軽井沢区長 饗場晴雄 氏
中軽井沢区民のみなさん/荻原健一さん/金山のぞみさん/川島靖史さん/土屋斉司さん/藤巻良秀さん(敬称略・五十音順)
軽井沢病院長 稲葉 俊郎
稲葉:広報かるいざわで、1年間エッセイを連載しましたが、2022年からは軽井沢町に関わってる色々な方々と連続対話をしています。軽井沢病院は中軽井沢地区にあります。中軽井沢は住宅地でもあり、中軽井沢駅、役場、図書館、病院なども集中している地区です。日本全国から人が訪問する星野エリアも含んでいます。こうした中軽井沢地区の中で軽井沢病院がどのような役割を果たせるのか、地域の区の自治に関わっている皆さまとお話をする機会を設けさせていただきました。
饗場:軽井沢町は観光経済の町ですが、住民として一番大事で一番頼りにしているのはやはり病院なんですよね。信頼できる診療体制をこれからも続けていってもらいたいというのは住民の願いだと思います。新庁舎も新しく出来ますので、住民の方が集う場になっていくとも思います。気軽に病院に立ち寄れて、地域の住民が親しみやすい病院にしてもらいたいですね。本当は散歩がてら病院に気楽に立ち寄れるような場が理想です。軽井沢は「屋根のない病院」とも言われていますが、その象徴のような場であってほしいです。
稲葉:それぞれの病院の役割を地域ごとにしっかり決めて行こうという動きがあります。佐久圏域を考えると、佐久市に佐久医療センターという大学病院レベルの総合病院があります。高度な手術や治療、特殊で稀な病気など治療する頼れる病院があります。それ以外の病院も、それぞれの規模や立地に応じて役割分担をしていきましょうという動きがあります。地域医療構想と言いますが、人口推計をもとに2025年に必要となる病床数を区分して、地域の病床の機能分化と連携を進めていく国レベルでの取組みです。そうした中で、軽井沢病院がどういう役割を果たせるかが大事ですね。病院の基本は、困っている事を解決することにあると思います。困りごとの中で、特に体や心の事に専門特化したものが病院です。役場も、困り事を解決する場という意味では共通です。新庁舎との関係性の中で、広い意味で困り事を解決する場になれればいいなと思っています。そうした意味でも自由に発想していくべきだと思っています。
饗場:そうですね。悩み事や、自分の体や病気へのアドバイスをもらえる。それこそ、病気の悩みを聞いてもらうだけでも、随分と気持ちが楽になると思います。
川島:軽井沢病院が中軽井沢にあるだけで、住民の方は安心しているだろうと思いますよ。「安心感」を感じられるだけでも重要な意味があると思います。先生も時間がなく忙しい中で多くの患者を診ているのはわたしたちもよく理解しています。午前の外来はごった返してますよね。ただ、パソコンを見てもわたしのことは見てくれないとか、担当の先生との人間的な対話ができない場合もあり、それは残念だなと思います。なかなか時間が取れないのが現状の中で、患者側としてはどうすればいいんだろうと思います。
川島靖史さん
稲葉:本当に仰る通りで、私達もそうした時間に追われている現状をすごく心苦しく思っています。限られた時間の中で、やるべき業務が膨大にある中で、医師事務作業補助(ドクターエイド:DA)に仕事を分担していく動きが少しずつ進んでいます。医師の過重労働が深刻化した2000年頃より、負担軽減を図ることを目的に「医師の事務作業の負担軽減」の取り組みとして始まりました。アメリカやイギリスでは、もっと前からメディカルアシスタントが同様の業務を行っていたことを参考にした面もあります。仕事の役割分担が進む中で、もっと人と人との交流で基礎となる対話の時間を作れる土壌ができると思います。海外のように合理的に効率的に仕事をつくることが日本では遅れています。日本もここ数年でやっと大きく動き出したところにありますが、話を聞かせてもらって、やはり対話が基礎になるのだな、と改めて感じました。
金山:軽井沢病院で父がお世話になった時も、すごく親切にしていただいたことにありがたく思っています。転院の場合でもスムーズに話が進むので、とても安心出来るなと改めて思いました。一方で軽井沢町の特色として、別荘の方や移住者の方々も増えています。遠方の方が軽井沢病院に来た時に、データを簡単に共有できるシステムのようなものがあるのかどうか伺いたいです。
饗場区長と金山のぞみさん
稲葉:まさに現在の医療の問題点を挙げていただいていますが、そもそも医療データは誰のものか、とういことが根本的な問題なんですよね。今は病院で行った検査データは、患者さんのものではなく病院のものになっているんです。わたしは患者さんの医療データだと思うのですが、現状はそうではありません。ですから、色々な病院で検査をすると、すべてのデータは病院ごとにばらばらになってしまって、本人がその検査データを知らないという状況になってしまうんですね。特に軽井沢のように移動が多い場所では、そうした1回1回のやり取りがなかなか大変です。私も企業とその辺りの取り組みを進めていますが、個人の医療データが個人の物になれるといいなと思っています。例えば、携帯で写真を撮るとそのデータは自分の携帯に保存されます。容量が大きくなると、データベースのクラウドに保存され、いつでもデータを取り出すことができます。そうしたことが医療データでもできればいいなと思っています。そうなれば、インターネット端末さえあれば、世界中どこでも自分自身の医療データをダウンロードできるようになりますから。時代の変化と共に進化していくと思います。
土屋:私は怪我をして整形外科の手術をやってもらいましたが、リハビリがもう少し充実してほしいなと思いました。木もれ陽の里に週2回ぐらいのペースで通っていますが、高齢者にはリハビリできる場が大事だなと思います。
稲葉:木もれ陽の里には軽井沢病院からも理学療法士が2人行っていて、病院だけでは対応できない部分を木もれ陽の里とも連携を取りながらリハビリの場を広げています。ただ、リハビリの場も、現状では皆さんからの要求に応えるだけのキャパシティがないかもしれません。病院だけで受け止めるのではなく、もっといい手段を考えた方がいいのかもしれませんね。
藤巻:毎年、健診の連絡が保健福祉課からきますが、いつ受診していつ予約すればいいのか、ということも含めて分かりにくいな、と思いました。
稲葉:郵送された案内の内容が分かりにくいのは改善の余地があるかなと思いますね。
藤巻:ワクチン接種は日にちが指定されていて、ここから選んでください、という方が選びやすいですね。
稲葉:そうですね。例えば誕生日の月で健診をやりましょう、みたいに、その人が覚えやすい日にちをこちらから提案する、というのも一つのアイディアかな、と思います。
藤巻良秀さん(左)と土屋斉司さん(右)
川島:病院にご意見箱みたいなものがあると思いますが、皆さん意見など書かれていますか。
稲葉:はい。結構入っていますよ。貴重なご意見ばかりなので、現場改善のために有効に活用しています。例えば、個人攻撃のようなものも時にはあるのですが、私としては個人のせいにするのではなく、組織やチームとしてどのように改善できるのか、という問題として受け取っています。お叱りの意見もお褒めの意見も両方ありますが、どちらもすごく大切にしています。かなり以前に病院と町民の方との意見交換会のような場があったようなのですが、吊るし上げのような、一部の人が文句を言い続けるだけの場になったようで、開催されなくなった、ということを聞いた覚えがあります。やはり、対話の場は喧嘩ではないので、やはり事前に共有するルールが一番大事なんですよね。対話の場は、相手の人格を否定したり、誰か犯人探しをする場ではなく、お互いの敬意と節度を持つルールが最低限共有されないと、一部の過激な人で場が荒れることが起きるとは思います。ただ、私としては皆さんの色んなご意見を伺いながら、改善できるところを少しずつ改善してよりよいものにしていきたいと思っています。みなさんが求めていることと私たちが取り組むことがずれないようにしたいと思っています。
饗場:稲葉先生は中軽井沢の区に入って何かお手伝いしたい、ということで、病院の着任前に区長であるわたしの家に挨拶に来られました。そうした地域の区の活動にも興味を持つような先生が来られる、ということで本当に安心してよかったなと思いました。
稲葉:私達も風越学園という学校に興味を持って、そのことで家族での移住を決めました。学校があるというのはやはり大きなことで、この場で家族と成長したいなと思いました。その時に饗場さんとお話した時に驚いたのが、引っ越して住民票ができると、それぞれ区に分かれていますよね。わたしはすべての人が区に入って地域活動に貢献するものだと思っていたのですが、むしろ区に入らない人の方が多いということを聞いて、そのことが逆に驚いたんです。
饗場:そうですね。こうしたそれぞれの小さい区の中で、一番の悩みの種かなと思い ます。町全体でも区に加入している人は半分に達していないと思います。
稲葉:やはり地域の活動は面倒だ、とか、そういう理由なんでしょうか。
饗場:そうですね。区に加入してもメリットがない、という判断になってしまうんでしょうね。損か得か、というような判断に。今は隣近所の付き合いがなくなってきていますから。やはり生活環境が良くなったからでしょうね。特に隣近所にお世話にならなくても生活できる状況に社会が変わっていったからでしょうね。中軽井沢だけではなくて他の区もそうだと思うんですが、区費を払っていただく説明を十分にしても、区費も払いませんし、参加もしません、という言われてしまう方が多いです。ゴミの集積所なども、区の役員がボランティアで整理したり掃除したりしていて、誰もそうしたことをやらないわけにはいかないんですよね。「私は町民税払っているから区費は払いたくない」「町でゴミは集めているんだから私には関係ない」と言われてしまいます。強制ではないので、わたしたちもそう言われると何とも言えないんですが。軽井沢町は30の区になっていますが、30の区長さんはみんなそういう状況に困っていると思いますね。今は新型コロナの関係で、これまで定住していなかったような方も多くの方が定住をはじめています。
稲葉:広報かるいざわでの対話の場の目的も、そうした共助や互助の新しい場をつくる問題意識からはじまっています。「自助」という自分の力で行うもの。自己責任、自分で何とかしなさい、という面も含まれます。「公助」という、自分だけではどうにもできない問題を、役場や国が何とか助けてくれる、というもの。今はその二つに分かれていて、その間を繋ぐ「共助」や「互助」が本当に抜けていると思います。そうしたことと、現在の医療が抱えている問題もリンクしていますので。共に助け合う、互いに助け合う、この共助や公助は、軽井沢だけの話ではなく、日本中で穴が開くように無くなっていて、それこそが創造的に解決すべき課題だな、という問題意識を持っています。生活の場での共助・互助の役割場が、まさに区の役割だったと思うんですよね。
饗場:そうですね。今は共助という言葉が出なくなってしまいましたね。共助って一体なんですか、というのが今の感覚かもしれません。区は共助の場ですよ、と言っても、相手に届かないですね。
稲葉:わたしも、病院という場が共助や互助の場を復活させるパイプ役になれるのではと思っているんですよね。なぜなら、病院という場には人が行き来しているわけですから。病院だけで解決できるわけではないのです。6月26日に軽井沢病院祭~karuizawa hospital festival without roof 2022~というものを開催しました。「おくすりてちょう」をみんなで作る場を設けましたが、あの試みもそうしたことの一環です。病院が病気を治す場だけではなく、共に何かを一緒にやる中で、自然に助け合おうとなったり、よき友人になったりできるのではないかと思ったんですね。畑や田んぼでは、野菜を収穫してお互いに交換し合い、手伝い合うとか、そういうことが自然に起きますよね。自然に起きる共助や公助の場だっただろうと思います。
荻原:田んぼを耕す時期にはお互いにお手伝いしあって、それでみんなでやったんですよね。農地も段々と少なくなっていますし、どんどん専門分化、機械化されているので、そうした状況は大きく変化しているわけですが。
荻原健一さん(左)
稲葉:場所自体も私有地が多くなると、そもそもみんなで集まれる場所自体がないですね。境界線ばかりで、散歩していても道路ぐらいしか共有地はないような気がしますね。
金山:わたしも中軽井沢のエリアデザインでも考えていますが、何かイベントをやりたいなと思っていましたが、病院祭の話のように、繋がりあい助けあいが起きるような仕掛けが求められているのかもしれないな、と思いました。逆に、軽井沢病院が中軽井沢のエリアに求める事はありますか。
稲葉:共助や互助は、やはり理念だけでは実現できなくて、実際に何かをやった、という行為やプロセスの中から自然に生まれてくるものだと思うんですよね。昔の田んぼは、トラクターもなくて、みんなでやらないとお米もできないからこそ自然にそうなったわけですよね。お祭りも、お神輿は一人でかつげないから、自然に共に何かをやる場になったんだと思います。中軽井沢で意識的にそうした場をつくり、その場に軽井沢病院の職員も共に参加する、というフラットな場ができるといいな、と思います。小規模な場でも、軽井沢病院の職員にお声かけいただきたいなと思います。そういう場の中で、1人の対等な人として出会えるのかなと思います。
饗場:そうした場を催す時に、稲葉先生にも相談に乗ってもらいましょう。稲葉先生は生活者の庶民的な視点を持った先生ですから。笑
稲葉:医療の場は、そうした場に貢献できる場でありたいと思っています。共に何かをやる時に、参加したくない、という人はしょうがないと思うんです。強制する必要はありません。少なくともそうした気持ちがある人で場をつくり、その中で良い繋がりが生まれてきます。その後、わたしも参加すればよかったなぁ、という魅力的な場に深めていけばいいと思います。中軽井沢地区には、病院だけではなく、図書館も学校もあります。そうした場とも、何か新しい関係を考えていくことが、現代的な課題なのかなと思います。共に生かす道です。この前、軽井沢病院の佐藤大晃さんと荒井美幸さんにも手伝ってもらいましたが、「かるいざわ放課後村、サマー!」(協賛:SC軽井沢クラブ「軽井沢こども未来基金」)という企画の中で、図書館と病院の共同企画として「おくすりてちょうワークショップ」をやってみました。荒井さん、実際の反応はどうでした。
「かるいざわ放課後村、サマー!でのおくすりてちょうワークショップの様子」
荒井:「おくすりてちょう」を絵具を使って子どもたちとつくりながら、図書館の方が選んだ「ことばのくすり」を選んで、「読みぐすり」を作るワークショップだったのですが、お子さんと保護者の方が参加されました。作り終わった後に、私の所へ来て「楽しかった!」「またやりたい!」と言ってくれて嬉しかったですね。みんなで何か関わりを持ちながら一緒に作業する、というのはいいな、と改めて感じました。
軽井沢町立図書館×軽井沢病院「ことばのくすり」
稲葉:対話をして話すことも大事ですが、何かを一緒にする、何かを一緒に作る、というプロセスも大事だろうと思います。中軽井沢地区に住んでいることもご縁ですし、みなさんと何か作品を作ったり出来るといいなと思っています。
金山:町づくりもそうですが、みんなそれぞれ考えている事はあっても、そこから一歩踏み出すことがすごく敷居が高いんですよね。「おくすりてちょう」も、敷居が高いと思われる病院が親しみやすくなるきっかけだなと思いましたし、対話も言葉が苦手な人には敷居が高いと思われやすいんですね。簡単な体験を通じて一緒にやる機会をつくる、そこから自然に対話が生まれる、ということもすごく大切かなと思っています。
稲葉:おっしゃる通りですね。お祭りも、何が目的だかよく分からなくても、とりあえず誰でも参加していいですよ、という敷居の低さこそがお祭りの醍醐味ですね。市場やマーケットのような場も敷居が低く参加しやすいですね。野菜か果物でも買おうかな、と気軽に人が集まる場ですね。コロナ禍の中で、人が集い合うことが制限されましたが、しっかりとした感染対策をしながら、野外でのイベントを中心として、会食や飲食のような気が緩む場をつくらなければ安全だと思います。みんなで共に参加できる場には、わたしも参加したいです。
川島:是非、お声掛けさせてくださいね。
稲葉:くつかけテラスも、場所としては行きやすくていいですよね。湯川の公園や長倉神社など、色々な場がありますから、小規模でいいと思います。
饗場:感染症の流行の中で、人を集める、ということ自体がすごくやりにくくなりました。一度止まってしまったものを、5年くらい経ってまた元に戻す、という事はなかなか難しいんじゃないかと思っています。医療現場はもちろん大変だと思いますが。
稲葉:もちろん医療現場も大変かもしれませんが、こうしたことをきっかにして社会が分断されたりバラバラになることの方に危機感を感じています。特に目的も無くブラブラと集まれる場が復活して欲しいです。
饗場:今は、人と喋るのもダメ、というような感じですから、年寄りには話すことがくすりになるんですよね。
稲葉:換気がよく風通しのいい場で、会食などの機会をなくせば安全です。以前のものを同じスタイルでやるのではなくて、新しい形式で工夫することに意義があると思います。世界保健機関(WHO)の健康の定義の中に、「健康とは肉体的にも精神的にもそして社会的にも満たされた状態」という一節があり、健康の要素として「社会的なつながり」は大きいです。
饗場:中軽井沢の区としても、いつまでもコロナに怯えて何もしないわけにはいかないとは思っています。長倉神社の祇園祭では、お神輿を担いだりしていました。あとは敬老会というのを区民会館でやっていて、お客さんを呼んで演芸を披露したりする場が継続的に開催していたんです。中軽井沢での対象になる人は800人くらいでした。
稲葉:そんなにたくさんおられるんですね!
饗場:もちろん全員来られると、とても対応出来ないんですが、その1割ぐらいでも100人弱の規模ですからね。みなさん毎年楽しみにしていたんですよ。部屋の中だと密になってしまいますし、高齢者はお喋りをすることが目的で来ていました。2メートル席を離してください、お互いの顔を見合いながら話をしないでください、というのは実際は難しいんです。主催者側からすると、そこで何かが起きたら責任問題となるので、やはり自粛傾向になります。でも、区民の親睦会として屋外で出来るマレットゴルフは実施しています。ふれあい授業として、子供たちとの場も設けていますが、子どもは感染が拡大しやすいので、今は控えていますね。こうした状況が3年、4年と続いていくと、こうした行事はどうなるんだろう、と悲観的な気持ちになりますね。
稲葉:やはり人とのつながりは大事だと思います。感染予防をしながら、何かしらつながりあえる対策を考える必要があります。医療者も巻き込み、野外で開催したり、野外でも密にならない工夫をしたり、色々とアドバイスできることはあります。軽井沢病院でも、病院祭を2年連続中止にしました。2022年はメリットとデメリットを天秤にかけた時に、なんとか工夫して実施したと決断しました。参加者の不安を取り除くためにも、すべて野外で行いました。もちろん、色々と事前準備は大変です。暑すぎる場合、雨の場合、あらゆる対策を事前に考えて大変でしたが、そうした手間を考えても、実施するメリットが大きい場合もあると思います。
饗場:行事やった後の飲食や懇親会が楽しみで集まって来る人もいるので。
土屋:本音話は、飲んだり食べたりする楽しい場でできますよね。
稲葉:飲み会をしない、という強い決まりで行うことに意義があると思います。むしろ、飲食やお酒の場が一緒になってないなら行きたい、という人も一方に多いと私は感じています。病院祭でも、打ち上げも何ひとつやらずに「ありがとうございました。お疲れさまでした」の一言で終えましたよ。
饗場:今までは打ち上げだ懇親会だ、というのがついて回っていましたが、この際だからそういうのは分けていけばいいんでしょうね。
稲葉:参加者の結束やつながりを深め、共助・互助の場を作ることが目的の集まりであれば、飲食は不要だと私は思います。なんでも中止にするより、工夫して実施する方が意義深いはずです。区の集まりでも感染対策など疑問に思うことがあれば、わたしたちにも頼っていただければと思います。そうしたことに協力することも医療の役目だと思っています。不安なことは気軽に声を掛けてください。
饗場:今後とも中軽井沢地区を共によくしていきましょう。ありがとうございました。
稲葉:地元の方のリアルな声は参考になることばかりでした。こちらこそありがとうございました。
(文字起こし:検査科 荒井美幸、校正:院長 稲葉俊郎、庶務係 佐藤大晃)